すばらしいお年玉 馬場威力
1.すばらしいお年玉                  
 昨年の後半に中学生、小学生といろいろとお話をする機会を得られた。そのおしゃべりのテーマは、視覚障害者の日常生活について紹介することだった。
 そのためにいでたちのメンバーに加えて、全盲の宮城さんにもご参加を願った。この度、その小学生から多くの感想文をいただいた。児童の皆さんの率直な感想に加えて、沢山の質問もいただいた。
 これらの質問には、宮城さんのご協力を得ながら、出来るだけ早く答えて行きたい。
私たちにとって、また児童やその先生方にとっても、障害者の生活実態を知るために非常によい機会だった。
  
かきと焼き豆腐のみそ煮 畠山工
 素材分量4人分、
かき(むき身)400グラム、焼き豆腐1丁、
ねぎ1本、しょうが1片、
八丁みそ80グラム、しょうゆ大さじ1、
砂糖大さじ1、みりん大さじ3、
酒大さじ1、片栗粉適量、青ねぎ適量、
(1)かきは塩水で洗う。焼き豆腐は12等分にする。しょうがはせん切りにする。
(2)ねぎは5センチ位の長さに切り、焼き網で焼く。
(3)鍋に水1カップと味噌とその他の調味料を合わせ、しょうが、焼き豆腐を加えて弱火で煮る。
(4)かきに片栗粉をまぶし、熱湯にくぐらせて鍋に加える。
(5)焼いたねぎを加えてひと煮し、小口切りにした青ねぎを散らす。
 エネルギー227キロカロリー、塩分4グラム
 
一句拝見(いでたち12月いろは句会より)  
冬凪て沖の初島一望に       成田真啓
宝籤買ふ人の列師走かな     宗像普
上州の空っ風めく今朝の風    馬場威力
頼朝のゆかりの池や落葉して   千葉宰
庭の木々鋏を入れて春支度    斎藤準之助
熱燗や男の話に立ち入れず    中里武子
 
思いつくままの 走り書き」(12) 微笑返し 中村斉
  妻は乗り物の中や食堂で、赤ちゃんと笑顔で交信するのが好きである。舌を鳴らして関心を引き、笑顔のつぶてを放つ。時折私もこの作戦に加わる。妻の気配で知るのだが、目標の赤ちゃんからの笑顔のお返しは、ご褒美である。その上、玉を転がす様な笑い声まで聞こえると、心を通わせあった幸せさえ感じる。ヒトの表情は、嬉しいことに、人種、世代、地域、文化の違いと関わり無く共通で、誰もが備えていて理解し合えるものである。
 昨年から参加しているコーラス「しゃぼん玉」では、合唱を楽しんだ上に、団員の温かい言葉を添えた笑顔に囲まれて、社会の中に生きている自分を強く感じている。私もそれに応えて、自分なりに選んだ言葉と微笑をお返しすることにしている。自分の表情は見えないが、心の内を伝えられるかなと思っている。年頭に当たって、お釈迦様の説かれた六つの布施の第一「和顔布施」(わがんふせ)から、社会へのお返しを始めようと心を決めている。
編集後記  井上進
 「ラジオ深夜便」という放送が高齢者の方を中心に人気があり、全国で230万の人が聴いているといいます。「ラジオ深夜便」は有識者の話や対談、エッセーの朗読それに音楽など、夜11時台から翌朝5時までの長時間番組です。夜目覚めたとき聴いてみました。静かな音楽が流れ、合間にリスナーからの投書を紹介していました。また明け方には芸術家、作家、心理学者や医師などの「こころの時代」という話や対談が流れるといった内容です。夜の静寂の中、ひとりで聴くせいでしょうか、どれもしみじみと心にしみ、豊かなひとときを過ごせたという感じがするから不思議です。愛好者の多いのもうなずける気がしました。
 
 
 

いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。