いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。 
ホームからの転落事故 馬場 威力
 視覚障害者の方がホームから転落する事故は後を絶たない。先日、山口県のある駅のホームから視覚障害者のご夫婦が転落した。この場合、盲導犬を連れていての事故だった。幸い、列車が来ない方のホームからの転落だったので、大きな事故にはならなかった。
 が、なぜ盲導犬と共に転落したのだろうか。なぜ防げなかったのだろうか。転落した人は、列車から降りた後、勘違いして盲導犬に直進の指示をしたのだそうだ。盲導犬はまっすぐ進み、転落した。
 最近、駅員は少なくて頼りにならないかもしれないけれど、列車から降りるお客は居るはずだ。その人が注意すれば転落は防止できたのではないだろうか。

 (訂正)92号掲載の「合格はしたけれど」の文中、「視覚がないので、精神科の医師を目指して勉強したい」は誤りでした。お詫びし、以下のように訂正します。
「若き日に精神科の医師を目指して、医学生となった。その初志を貫くために、改めて受験し、国家試験に合格した」
  
アスパラとたこのバター炒め 畠山 工
 素材分量2人分、
グリーンアスパラガス5本、ボイルたこ120グラム、
オリーブオイル大さじ1、にんにく1片、白ワイン大さじ1、
バター大さじ2分の1、しょうゆ大さじ2分の1、
(1)アスパラガスは根元の固い部分を切り落とし、2センチぐらいの長さに切る。たこは小さめの乱切りにする。
(2)にんにくは、みじん切りにする
(3)フライパンでオリーブオイルを熱し、にんにくのみじん切りを弱火で焦がさぬように炒める。
(4)にんにくの良い香りが出てきたら中火にし、アスパラガスを炒め、ワインを入れてすぐにふたをし、弱火で1分程蒸し煮にする。
(5)たこを加えて炒め合わせ、しょうゆとバターを加えて汁気をからめて器に盛る。
エネルギー170カロリー、塩分1グラム
 
一句拝見(いでたち6月いろは句会より)  
久々に赤子の声や白牡丹       加藤孝二
草若葉いたちの川辺そよぐ風     成田真啓
花菖蒲日差しに疲れ力なく       碓井秀夫
桑の実や紫染めし遠き日よ       斎藤準之助
独り居の一つ覚えの豆ご飯       宗像普
草いきれ視覚なくとも季節知る     馬場威力
到来の佐藤錦や梅雨に入る      中村齋
すこしずつ絞りちがえて花菖蒲     中里武子
 
ききなし 菊地賢三
 前にホーホケキョはうぐいすの鳴き声のききなしです、と書いたらききなしのなしはどういう意味か、と聞かれました。このなしは、みなすというのと同じ意味のなしですと答えました。からすのカーカーもききなしですが、単に自然現象の音にまねて作った語、擬声語とも言えます。鳥の声を楽しむ人にとっては、例えば夏の鳥で、きょきょきょっきょ、と鳴くほととぎすを、特許許可局とききなすことでしょう。ほかにつばめのききなしを、土食って虫食って渋―いなど面白いのが沢山あります。
 ここまで凝ったら、大型トラックをききなすとどうなるとか、もっと発想を変えて、大根はどんな音とかパソコンの味はどんな味とか、ゲームとしてやってみても面白いかもしれません。
編集後記 井上進
 梅雨空が続いています。しかし、しっとりと濡れた緑のにおいを感じ、小鳥の声を聴きながらの朝の散歩は結構楽しいものです。「ちょつとこい」と聴こえるからこじゅけいかと思い、この時期になってもまだ下手なウグイスの鳴き声なども面白いですね。
 このところ晴れたら暑く、曇りや雨では涼しい日々で、「梅雨寒む」という言葉を思い出しました。油断して風邪を引かないようにお過ごしください。