いでたち通信反省会 馬場威力
 いでたち通信も始めてから4年、皆様のお陰で今回で104号になった。その反省会を、26日に関係者の皆さんが集まっておしゃべり反省昼食会を開催した。集まったメンバーは、このようなミニコミ紙を発行する決心をされ、協力された方であって、女性3人(杉山さん、樋浦さん、宮城さん)と男性1人(畠山さん)の4人の視覚障害者、晴眼者5人(井上編集長、菊地さん、桐生さん、丸山さん、馬場)とにぎやかな集まりになった。
 4年後に200号までは少なくとも発行したいものである、と言うことが結論だったろうか。
 私の個人的な反省点は、間違いない点字を勉強すること、視覚障害者の率直なご意見をお聞きしてこのミニコミ紙を充実させること、音楽会などの身近な情報をお伝えすること、また障害者の皆様のエッセイをいただくことだった。
  
ベーコンとしらたきの炒め物  畠山工
 素材分量2人分
ベーコン3枚、しらたき100グラム、
赤唐辛子1本、サラダ油大さじ2分の1、
砂糖大さじ2分の1、みりん大さじ1、
しょうゆ大さじ1杯半、
(1)しらたきは水からゆで、沸騰して3分位してから火を止め、ザルにあげて水気をきり、食べやすい長さに切る。
(2)赤唐辛子は小口切りにし、ベーコンは1センチ位の幅に切る。
(3)フライパンにサラダ油を熱し、赤唐辛子を焦がさないように弱火で炒め、辛みがでてきたらベーコンを加えて炒める。
(4)しらたきを加えて中火にして炒め合わせる。砂糖を入れて全体になじんできたら、みりんとしょうゆを加え、汁気がなくなるまで焦がさないように炒める
エネルギー140キロカロリー、塩分2グラム
 
一句拝見(いでたち 11月いろは句会より)  
秋の朝堰を静かに鯉の群れ         加藤孝二
風やみて白さ目に染む芒の穂        成田真啓
秋刀魚焼く煙の庭に漂える          宗像普
秋日和ビンゴラリーの障害者         馬場威力
よいよいと手締めを競う酉の市        中村斉
新米が届きて妻の水加減           千葉宰
菊人形流れ矢大地にもささり         中里武子
 
「思いつくままの 走り書き」(10) −百聞は一見をしのぐ−          中村斉
  日曜日の朝、BSの「名画への旅」を時折楽しむ。先日はルーベンスの作品の紹介であった。この夏「フランダースの犬」を観劇した。主人公の少年ネロが心の底から憧れていた、アントワープ大聖堂のルーベンスの名画を、私は観ておきたかった。(心の中でしか観られないのだが)PCで画像を呼び出して、妻に「構図は、画風は云々」と質問し、答えを頼りにおぼろげながらイメージを描いた。舞台では、クライマックスに壁いっぱいに、キリストの十字架が立ち上げられる様と、十字架が降ろされる図を投影した。観客の感動のさざなみが私のイメージをふくらませてくれた。「名画への旅」のナレーションとオルガンの演奏で、さらに一歩ルーベンスに近づけた気がして嬉しかった。出来ることなら、他の作家の作品も心に蓄えていきたいと思う。
 最近、現代アートを、障害者と会話することによって鑑賞する活動が「百聞は一見をしのぐ」を合言葉に進められている。やがて、視覚障害者が、ごく普通に美術館を訪れる日が来るだろうか。
旅に出ましょう 樋浦淑子
 最近は、皆様のお陰で、どこへでも行ける時代になって来ました。
この秋、残暑の厳しかったある日、名古屋の万博へ行って来ました。このような旅は、今までですと、往復共にヘルパーさんに全てをお願いしなくてはらず、なかなか実現できませんでした。
 今回は、私が利用者として登録しています事業者に相談した結果、以下のような日程で万博を十分に楽しめました。
 東京駅まではJRの皆さん、新幹線の中は一人、名古屋駅から万博会場までと万博会場からホテルまでは万博のヘルパーさん、ホテルの泊まりは一人、翌日も万博のヘルパーさん、JRの皆さんのお陰で無事帰宅できました。
 会場では、万博関係者の皆様のお世話になり、いろいろの展示物に触って楽しむことができました。特に、両手で抱えるほどの大きさの岩塩の塊、その肌がつやつやしていたのには、びっくりしました。素晴らしい感触でした。
 なお、新技術を使った白杖のテストがありましたが、地面につけないために、常時右手で持っていなくてはならず、とても重く感じ、疲れました。
 これからも、このような機会を積極的に作って、旅を楽しみたいものです。

 樋浦さんを紹介 小さいころから視力が低下し始め、現在ではほとんど失明された方です。昔から内外の旅行が大好きな、とても活発な方です。 馬場威力
 
編集後記 菊地賢三
 ユビキタスという言葉を聞いたことありますか。ラテン語で、いたるところにある、という意味のIT用語です。パソコンや携帯電話だけでなく、家庭電気製品や自動販売機などいろいろな物を利用し、一人で幾つものコンピューターを手軽に使って、便利で安全な社会を作ろうとするものです。
 今、現地実験されている一つは、ICタグという縦横数ミリの基板に200字程度の情報を書き込み、道路の点字ブロックに貼り付け、端末機を持った人を、その情報を音声で誘導しようとするものです。ICタグは1個5円、端末機は数万円までに値が下げられると見込まれています。固定情報ですので、時々刻々の情報は流せませんが、交差点や駅のホーム等では、よりきめ細かい安全な誘導が出来るようになります。こういうものの導入は他のことより急いでもらいたいと思います。インターネット検索で、ユビキタス、障害者と入れるとあちこちの情報が得られます。
 

いでたち通信は点字に翻訳し、視覚障害者に配布されています。