いでたち通信は点字に翻訳し視覚障害者に配布されています。
新しい年を迎えて 馬場 威力
 この年になると、新年を迎えるのが早いですね。皆様お元気で新年をお迎えのことと思います。今年もよろしくおねがいいたします。今年はしゃべればパソコンメールを送ってくれる、そのようなソフトをマスターするつもりです。面白いですよ。
 このいでたち通信には、畠山さんがシェフになりレシピを連載してきました。それにカロリーなどを付け加えました。その他たんぱく質やビタミンなども計算してありますから、興味がありましたら、おたずねください。
 庄戸地区の男性料理教室でも、材料の買出し、料理一切のことをやるように成長しました。その中で、畠山さんにあやかって、カロリー計算も始めました。高齢者の健康管理のためです。
 
土井たか子さん 宗像 普
 昨年の秋、11月9日に総選挙がありました。私にとって印象的だったのは、社会民主党が大幅に議席を失い、しかも党首である土井たか子氏が小選挙区で落選したことでした。数日後土井氏は選挙の責任をとって党首を辞任しました。 テレビの記者会見のとき土井氏の目にうっすらと涙がありました。
 私はこの人の長い長い闘いの歴史と、心の中の口惜しさとを思い、何とかして激励したいという思いに駆られました。社民党の住所を知りませんが、千代田区永田町と書けば着くのではないかと思って、宛先を土井たか子様と書いて激励の手紙を送りました。
 それっきり手紙を送ったことも忘れて2週間ほどが経ったある日、郵便受の中に、1通の封書があり、差出人が土井たか子とありました。中を開けてみると1通の便箋に土井さんの直筆と思われるペン書きで、丁重に私からの激励に感謝し、日本の平和のために死力を尽くすという意味の決意が書かれていました。 1選挙民の投書に対し、誠実に対応してくれた彼女の人柄のようなものが感じられて、ほのぼのと心温まる思いでした。
 
梅讚歌 吉原 利郎
 早春の花だよりといったら、まず梅の花であろう。一輪また一輪と咲き始めていく。春一番に花を咲かせてくれ、まだ寒いのに、けなげに。咲いている期間が、またずい分と長い。
 白もあれば紅、薄紅、赤、黄などさまざまだ。『梅一輪、一輪ほどの……』と云うように、早春のまだ、うすら寒い時に、一輪咲いているとそこだけがほんのりと、暖かみを感じるものである。
 また、香りが良い。何とも云えぬほんのりと甘い香を漂わせてくれる。閑静な町かどを散策していると、どこからともなく、やさしい香りが……、なんだろうとふり向くと、そこに白い梅が咲き誇ったりしている事がある。
 枝ぶりがまた良い。若木でも老木のようにどっしりとしている。盆栽にしても、梅の老木は実にいい。老木の枝はすばらしい。鳥が止まりやすいように、横に這っている。春の虫を呼び、小鳥が花の授粉を助けてくれる。『梅にうぐいす』というから、美しく調和する物のたとえにも使われている。
 そして6月、梅雨時になると、青い実を沢山つける。我が家のは豊後(ぶんご)梅で、比較的大ぶりの実がなる。取り入れ後、梅酒や梅シロップ、梅干など、いろいろ重宝だ。梅酒、梅シロップは、出来上がった後の果肉で、梅ジャムが出来る。
 そして種、堅いがペンチで割ると、渋皮のついた種の中心部が出て来る。渋皮をつるっと剥くと白い種。これを沢山集めると、なんの実だろうと思う。おいしいよ。
 夏は、木陰を作ってくれて涼しい。
 秋は、落ち葉を集めて堆肥を作る。
 冬は、はだかの木で、太陽の日差しを部屋いっぱい注いでくれる。四季それぞれに、その姿を変え、人々を和ませてくれる。
 今では、春になると、さくら前線といって桜が日本の花になっているようだ。桜の花も気品があって実にいい。
 しかし、日本では昔、花と云ったら梅の事であったらしい。いつの間にか桜になってしまったのだそうだ。
 でも、春はやっぱり梅がいい。いぶし銀の感があるね。おめでたい松竹梅の梅は、縁起がよい事なのであろう。
 うれしい梅の木よ。観梅ピクニックに行くとしたら、小旅行としよう。
曽我梅林は近い。熱海梅園もいいよ。奥多摩青梅、日向和田(ひなたわだ)あたりの梅林は、すばらしい。
 
おろしきのこうどん 畠山 工
 お正月に、飲み過ぎ食べ過ぎて疲れた胃腸に、低カロリーで消化の良い、温かいうどんをどうぞ。
 素材分量、1人前
うどん1玉、なめこ少々、大根5センチ、ほうれん草2株、にんじん少々、生しいたけ1枚、しめじ3分の1パック、えのきだけ3分の1袋、しょうゆ小さじ2、酒小さじ2、みりん小さじ2、ほんだし・いりこだし小さじ1、塩小さじ3分の1、ゆずの皮・せん切り少々
 1、大根は、すりおろし、しぼって水気をきっておく。
 2、ほうれん草はサッとゆで、3センチ位の長さに切る。
 3、にんじんは薄切りにし、生しいたけは石づきを取って薄切りにする。
 4、しめじとえのきは石づきを取り、小房に分ける。
 5、鍋にカップ2杯の水と調味料を入れて火にかけ、ひと煮立ちしたら火を弱めて、きのこ類を入れてサッと煮る。
 6、どんぶりをあたため、サッとゆでたうどんを入れて、上から煮たきのこを汁ごとかける。
 7、大根おろしとほうれん草をのせ、ゆずの皮を振りかける。  
(400キロカロリー、蛋白質13グラム、脂質2グラム、ビタミンA、B、Cと植物繊維豊富です。どちらかというと中高年向きでしょうか。  馬場 威力)
 
一句拝見 (いでたち 12月いろは句会より)
実千両 暮れ残る庭 雨戸閉めず  加藤 孝二
日暮れまで 男やもめの 障子張る  斎藤 準之助
古寺に 秋刀魚を焼きし 煙立つ  近藤 淳
年の瀬や 喪中はがきの 今日も有り  宗像 普
年の瀬や 何時来るのかと 母の文  成田 真啓
書いて見し 点字の年賀 葉書かな  馬場 威力
料理屋も 置屋も売り家 花八つ手  中里 武子
 
編集後記 井上 進
 私ども夫婦は、元日早朝、歩いて鶴岡八幡宮へ出かけました。天園から建長寺を経て、約2時間のコースです。30数年続けているのですが、年々暖かくなっているのを実感します。30年前は厚手のジャンバーで着膨れて行ったのですが、最近は軽装で十分です。しかし、初詣でのにぎわいは、今も昔も変わっていません。日ごろは無神心でも正月だけは格別なのですね。
 新しい年、いでたち通信は61号からのスタートです。今年もよろしくお願いいたします。